この「かぶとバイオファーム発電所」の建設のきっかけとなったのは、2017年に笠岡市で酪農業を営む有限会社希望園の山本社長(当時)から、牛舎の屋根の上の太陽光発電の発注をいただいたことでした。
その際、山本社長から「酪農を続けるうえで、常に課題となるのが牛ふんの臭気と処理の問題である」とのお話がありました。畜産が盛んなヨーロッパや北海道では、牛ふんを活用したバイオガス発電が既に普及しており、同時に臭気も改善されています。牛舎と人家の距離が近くなることの多い本州においては、こうした施設の導入が特に重要であるという認識で一致し、排水規制の厳しい本州瀬戸内地域でのバイオガス発電所建設を目指して、本事業がスタートいたしました。
岡山県笠岡干拓地は、農業用地であり、今回の発電所建設については多くの行政許認可手続きが必要でした。しかし、笠岡市には以前から畜産に伴うにおいに関する苦情が数多く寄せられていた背景もあり、この課題を解決できるバイオファーム発電所の建設に対して、行政も積極的に取り組んでくださいました。
現在、世界的にカーボンニュートラルへの取り組みが注目されるなか、自然の牧草を食べて育った牛のふんを使ってゼロカーボンの電気と肥料を生み出す本施設は、持続可能な社会の実現に大きく貢献するものと確信しています。
今後は日本国内にとどまらず、乳牛の飼養頭数が多い海外でも、この事業を展開していきたいと考えております。
大規模干拓によって畜産業が発展した笠岡市では現在、約176ヘクタールの牧場で1万頭以上の牛が飼育されています。そのため、大量の牛ふんの堆肥化と臭気対策が地域の長年の課題になっていました。
三和電気土木工事は、笠岡市干拓地にある畜産農家の牛舎の屋根上に太陽光工事を手がけた縁から、牛ふんの活用に着目。太陽光発電所や各種プラントの開発・建設でつちかった経験をもとに、牛ふんを利用したバイオガス発電プロジェクトを発足しました。
三和電気土木工事が設立した「かぶとバイオファーム合同会社(LLC)」と地元の7牧場で「かぶとLLP」を結成し、笠岡市と「かぶとLLP」、三和電気土木工事の3者で協定を締結。令和6年9月にバイオガス発電施設が完成しました。